今日は・・・というか、もう日付が変わってしまっているので、昨日の話なのですが・・;;
渋谷のシアターNという映画館で「ラブド・ワンズ」という映画を見てきました!作品の内容が内容のため、レイトショウのみの上映で、いつもとは違う時間帯に行く映画館にウキウキだったりしました。
で、問題の中身なんですが、とにかく完全R-G18指定!!
痛い!一言で言えば、映像的にとにかく痛い!!
大雑把なストーリーを言いますと、主人公ブレンドは同級生のローラからプロムの誘いを受けるが、すでに恋人のホリーという先約があったため、それを断る。そしてその日、ブレンドはプロムに向かう前に何者かに突然襲われ、誘拐されてしまう。彼が目を覚ますと、見知らぬ家の中、タキシード姿で椅子に縛り付けられており、目の前にはドレスを着て微笑むローラの姿があった・・・・。
と、ここまで聞くとまるでヤンデレ映画のようなのですが、実際の中身はヤンデレというより、特殊で猟奇的な性質を持ったマジキチ女子高生の世にも痛々しい一夜のパーティー騒ぎといったところ。まぁ、映画で描かれるのは一夜の話ですが、彼女のこういった犯行自体はもう常習犯だったりして。また、その暴力描写の痛いこと痛いこと。足はナイフで床に縫い付けるわ、胸にはフォークでハートマークをつけて塩を掛けまくるわ、電動ドリルで頭蓋骨に風穴開けるわ。とにかく、凄い凄い。
パンフレットの解説を読んでみると、「新感覚ホラー」とのこと。私、ホラーっていうと、なんかこう・・・幽霊とか化け物とか、あんまり人間じゃない類が出てきて襲ってくるようなもののイメージがあるので、ホラーの定義ってなんなんだろうかと色々考えてしまうのですが、じゃあこの映画を他の何に分類すればいいのかと聞かれましても、それはちょっと、答えに詰まるところであります。
サスペンスというのもちょっと違う気が・・・・。
とりあえず、解説の文章に目を通すと「とびきりコワくてすこぶる残酷、だけどお茶目でクレイジー。血みどろでワイルド、色んな意味で痛~いけれど、綿菓子のように甘くてドリーミー。」うん。確かに、この表現には納得かもしれない。
強烈で過激な暴力描写の中に、多感な時期の若者たちの微妙な心の描写を上手く融合させたというこの解説を読んでいると見ている時には確かに痛くて「うわあ・・・」って感じのシーンは沢山あったにも関わらず、そんなに後味が悪くない奇妙な映画でしたね。
全体を通して見て、確かにクレイジープリンセス・ローラは、狂った女の子ではあるのだけれども、彼女のあれは完全にあの父親の性癖の所為だということがよく分かる。でも、だから、彼女が可哀想とかそういう同情を生むような類の問題でもなく、ただ純粋に自分を可愛がってくれる父親が大好きな彼女はその父とのコミュニケーションのようなものの一環としてあの行為をしているのかなと。素敵なイケメンのお人形さんで遊ぶ父と娘の楽しいパーティーみたいな素敵な時間の過ごし方なんだろうなあなんて。彼女の中身は「私、大きくなったらパパのお嫁さんになるわ。」って言うような純粋で、だからこそ残酷な少女の心のままなんだということがよく分かる。自分の好きなように我が儘放題したくて、それを許してくれるのは、自分にベタ惚れ甘々なパパの存在。っていう、これが小さなお子様なら、「可愛いなあ」で済みそうなことが、そのままエスカレートしちゃったような彼女と父親の関係が、ブッ飛んでいて、面白いなあと思うところ。だから、最後は我が儘放題の悪い女の子に「めっ!」とお仕置きを与えたような感覚で、見ていて不思議とスッキリとした後味が残ったような気がする。
この映画は、2009年の作品らしく、これが出た当初は18+指定を受けながらも、その残虐性よりもユーモラスな作風を高く評価されて、実際の上演時には奇跡のMA15+(つまりは15禁)指定を貰ったという話。本当によく、R15指定を取れたなと・・・・。
解説文の最後がまた秀逸で、「前代未聞のマジキチ青春ホラー『ラブド・ワンズ』。誰も見たことのない、最高にキュートな監禁凌辱地獄へようこそ!」って、凌辱って聞くと思わずエロティズム的な方向を考えてしまいそうになりますが、そんなことは全然なくて、ほぼ9割痛い方です。
それでも、この「痛くて怖いんだけど・・・?+α」っていう不思議な感覚を味わいたい方は、是非、映画館へ足をお運びください。
ちなみに、個人的には電動ドリルで頭に穴を開けるシーンが一番痛かった。自分があの手の機械を実際に使用したことがあるから、どんな感じか、ある程度想像がついてしまうんだよね・・・・・。ああ、痛い痛い。
というわけで、久しぶりに興味深い映画を1本見てきましたよ!
それでは、そろそろ寝ようかな。
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