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機械仕掛けのトマト

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「偉大なるマルグリット」鑑賞

2016/03/06(Sun)00:15

久しぶりに、観た映画の感想でも書こうかなあと思いまして、特に意味もなく書き綴ります。

※以下、ネタバレが含まれます。


つい先日、「偉大なるマルグリット」を観て参りました!
以前観た「大統領の料理人」でも主演していらっしゃったカトリーヌ・フロ主演のお話です。

あらすじとしては、1920年フランス、貴族の邸宅でサロン音楽会が開かれる。主催の男爵夫人、マルグリットはとんでもない音痴。しかし、儀礼的に観客たちは彼女の歌声に拍手を贈る。当の本人は、自分の音痴に気がつかないまま、お金目当ての若者にそそのかされて、とうとうリサイタルまで開くと言い出す始末。夫は、彼女に真実が告げられないまま、果たして、マルグリットは自分の音痴に気がつくことはあるのか・・・・・。

こんな感じですかね。
チラシの煽りの「音楽への壮大で、残酷な片想い」というフレーズに胸を打たれます。
彼女は何故、そうまでして歌うのか。その問いかけに惹きつけられて、映画を観にいきました。
いやぁ、良かったです。これを何系のお話と位置づければいいのか上手く言えないのですが・・・悲喜劇ですかね。

映画を観ていると、彼女はただひたすらに、夫への愛のために歌を歌っているのだということが分かります。夫の気を引きたくて、少しでも自分を見て欲しくて、狂おしいまでの想いを全て音楽にぶつけていたのでしょう。
彼女が歌を歌い始めた切欠が何だったのかなんてことは、映画の本編には出てきませんが、察するに、夫が彼女から離れていき始めたことだったのではないかなと感じました。
もちろん、彼女自身も音楽やお芝居やアートが元々好きだったのでしょう。でも、それをあれほど熱心にやり始めたのは、夫のことがあったからだろうなぁ。
夫のジョルジュが、どうしてマルグリットから離れていったのかについても、特別な描写はありませんが、あの夫婦はマルグリットの方がお金を持っている資産家なので、ジョルジュはそこの婿養子的な立場だったのかな。結婚して、初めのうちは「逆玉の輿だぜ!」って思っていたとしても、男性というのは、往々にして、女性よりも立派な立ち位置にいたがる生き物ですから、そのうち、彼女と一緒にいることによって、強い劣等感を抱いたのではないかなと。
彼の爵位ですら、マルグリットがお金で買ったものだという台詞がありましたしね。
彼女の方はきっと、純粋に彼を愛するがゆえに、自分が彼のために出来ることはなんでもしてあげたいという気持ちでいたのでしょうが、彼の方はそうされることによって、どんどん自信をなくしていく。それで、彼女から離れ、徐々に距離を置いていったんじゃないかなぁ。

彼が離れていくので、彼女はなんとか彼の気を引こうと色々やったんでしょう。「あれを買ったわ」「今日は、誰々とあったの」なんてことを話しても、「そうか」とか「ああ」とか「うん」としか反応してくれない夫が、歌のことになると「なんで歌うんだ」「やめなさい」と反応を返してくれる。何よりも、歌を歌っているときは夫が自分を見てくれるのではないかと思ったのではないかなあ。初めのうちは、本当にちゃんと見てくれたのかもしれない。
夫が見てくれることと併せて、自分もきっと歌を歌うことがストレス発散になっていたり、それにのめり込むことで、寂しさを紛らわすことが出来ていたのだろうと思います。

少女のように純粋なマルグリットを見ていると、彼女を騙そうと近づく若者や、冷たく当たる夫に対して、「こんな素敵な人を悲しませるなんて酷い!」と観ているこっちはおもわずそう考えてしまいます。
執事のマルデボスが本当に優秀で・・・!!彼は、身近で夫婦のことを見ていたからこそ、マルグリットのやることを否定なんてしなかったし、ひたすらに彼女の好きなようにさせてあげたかったんでしょうね。
彼女の純粋さに惹かれた人々は、誰も彼女に「あなたは音痴だ」などとは、言えませんでした。

最後の終わり方が、また秀逸で。
初めに観終わった時には、「え?これで終わり?」って思ったのですが、観終わってからよくよく噛み砕いてみれば、あれは恐らく、執事のマルデボスが望んでいたハッピーエンドだったんだろうなと。
彼女の意図した形ではなかったにしろ、彼女は歌を歌い続けることによって、夫の気を引き、最終的には、夫を完全に自分の方へ向かせることに成功したんですよね。

ジョルジュの浮気現場を目撃してしまったマルグリットが、夫へそのことを話すシーンがとても印象的でした。
リサイタル前日の夜に「二人で逃避行でもする?」というマルグリットにジョルジュは「明日は、君にとって大切な日だろう」と返します。でも、それに対してマルグリットは「あなたが、そうしたいと言うのなら、私は歌うのを止めるわ」と言うんですよ。はっきりと。
あんなに、どうしてもリサイタルをやってみたいと言って聞かず、歌の教師まで雇って、毎日何時間も猛特訓して(それでも、上達はしなかったのですが)頑張ってきたのにも関わらず、ジョルジュがただ一言「一緒に逃避行しよう」とそう言えば、彼女はそれを止めると言うのです。
もう、このシーンに彼女の想いの全てが詰まっていましたね。
彼女にとって歌は、どんな時も寄り添ってくれる大切な友人のようなものだったでしょう。でも、彼女はただ、夫に愛されたかった。その愛さえあれは、その歌さえもいらなかったんです。

浮気相手の女性がそれを一番分かっていましたよね。
「なんで、彼女は歌うんだ」と困り果てるジョルジュに「分からないの?貴方の気を引くためよ。そして、それは成功しているわ。」と泣きながら言います。(この辺、特にセリフ曖昧ですが)
ジョルジュも、本当はちゃんとマルグリットのことを愛していたんですよね。
それをプライドが邪魔してしまって、いつの間にか、気持ちが離れていっていた。でも、愛ゆえに、彼も最後まで彼女に対して「君は音痴だ」とは、口が裂けても言えなかった・・・。(言えないところが、物凄くもどかしい)
最終的に、マルグリットが倒れてしまってから、医者に「彼女を愛している?」と聞かれて彼女の歌声について「他の奴が、それをどう思ったって関係ない。クソっくらえだ!」と吐き捨てるシーンも、胸にくるものがありました。ああ、この人はちゃんと彼女のことを愛していたんだなあと。(なら、ちゃんと彼女を大切にしてあげてよぅ!と心の底から思いましたが)

マルグリットが可哀想で、私は鑑賞中、また何度も泣いてしまったんですけども。(例のごとく、ボロボロ)
特に浮気現場を目撃したところとかな!ホント、浮気するなら完璧に隠し通せよ!知ったら、絶対に傷つけるんだから!傷つけたくないなら、完璧に隠し通すか、それが出来ないならするな!!と、世の男性陣に言いたい。(真顔)
完璧に隠し通す場合は、隠し通した上で、奥さんを一番に大切にちゃんと愛してあげて、愛情表現をすることな。それが出来ないなら、浮気はしてはいけません。

あれ?なんか、趣旨変わっとる・・・?
まあ、いいか。
とにかく、良かったです。マルグリット。
気になった方は、是非是非劇場まで足をお運びくださいませ。
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No.526|出来事Comment(0)Trackback

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